雛人形はどんな大きさがいいのか、誰が買うのか、いつ買うのか、など検討することが沢山ありますよね。そんなお悩みに対しては、人形屋さんのホームページや子育てブログなど様々なおすすめやアドバイスがあふれているものの、じゃあ次女用ってどうすればいいの?ってほとんど情報がないんですよね…
雛人形を飾れるのは一年に一度。時期も短いので、昨今の住宅事情もありコンパクトなものが求められますよね。しかも、次女用もとなると収納場所や金銭的なことも含めて、長女の時と同じレベルのものを求めるのはあまり現実的ではないと思います。
私も娘が二人いて、次女用の雛人形を吊るし雛や小さいお雛様にするかどうするかいろいろ悩んだので、その悩みの過程と「そもそもいる?!」という疑問まで、我が家なりの答えについて共有したいと思います。
人形屋さんがおすすめすること
宣伝文句を検証
次女の雛人形はどうしたらよいか、ということを検索してみると、必ずと言っていいほど「もう1つ新しい雛人形を用意してあげるべき」とあります。
人形屋さんのホームページ上の解説を読むと「雛人形の由来からそうする必要がある」と言うのですが、雛祭りというのはそもそもどんな由来なのでしょうか?
雛祭りのルーツは、飛鳥時代にさかのぼるそうです。「日出処の天子……」という国書を持った小野妹子が有名ですが、遣隋使の派遣が始まる7世紀初頭から中国大陸の文化が多く輸入されます。雛祭りも古代中国の暦と一緒に入ってきた風習です。
当時の暦で3月3日は「上巳(じょうし)の節句」と呼ばれ、冬が終わり、水辺で身を清め、穢れを払う行事があり、女性の成人を祝う儀式も執り行われ、若い男女の出会いの場でもあったそうです。
現在の中国大陸には「上巳節」は残っていませんが、当時の名残として、「踏青」と言う言葉と、春の花が咲く頃に男女でピクニックや旅行に行く風習が今でも残っています。
私は中国に通算6年近く住んでいたことがありますが、雛人形を飾るという習慣もなければ、女の子の成長を祝うというような意味合いも全くなく、「上巳節」と言われても知らない中国人の方が多いと思います。
上述の「踏青」という風習も、ただ暖かくいい季節になってきた、ということで、「上巳節」の名残と書いたものの、多分人間誰でもピクニック気分になるだけのような気もします(^^;)
ということで、少なくとも古代中国では女性とご縁のある行事だったようです。ただ、中国から輸入したものを同じように移植することをせず、何でも日本流にアレンジしてしまうのが当時の日本のすごいところ!
中国から伝わった行事の名前と日程は残しつつ、平安時代になってから紙でできた人形に穢れを移して流すという習慣が始まります。今でも京都の下賀茂神社の「流し雛」が有名ですよね!
以来、女の子の健やかな成長を祈って続く行事になりますが、現在のような人形を飾る習慣になったのは江戸時代末期以来のこと。庶民に広まるのは昭和時代に入ってからだそうなので実は比較的新しい習慣なんですね。
ちなみに、雛人形を飾る習慣の大本になったのは、徳川将軍家。名古屋の徳川美術館では将軍家のお雛様の展示が2月から4月頃まで毎年開催されていて一見の価値ありです。
このような行事の成り立ちから、雛人形は、女の子の厄を払い、身代わりとなる意味が込められていることを理由に、人形屋さんは次女用はたまた三女用にも「身代わり」としてのお雛様を購入するべし!というわけなんですね。
なかなか商売上手(^^;)
次女用お雛様として選ばれる例
とはいえ実際長女と同じように立派なものを勧めるのは非現実的だと人形屋さんも心得ています。コンパクトかつ木製や布製など素材で個性を出した雛人形や、吊るし雛などをおすすめしています。
確かに同じようなお人形を飾るよりも、素材に変化を持たせるとまたいいものですね!次女からの「私のはないの…(´;ω;`)」という批判をかわすためにも、素材違いというのは一つの選択肢かもしれません。
こんな吊るし雛であれば、赤ちゃんの頃ならメリー代わりにもなりそうですし、大きくなってからインテリアとして飾っても華やかですね。雛祭り気分が盛り上がりそうです。
我が家の次女用雛人形の解決方法
そもそもいる?!からスタート
実は我が家が長女の時に選んだお雛様は陶器製。子供の触れない場所に置きさえすればメンテナンスも不要で、コンパクトなのでとてもいいんですよ。
ちなみに元々長女用のお人形が普通のお雛様の場合、次女用として陶器もおすすめです。子供が巣立った後もインテリアとして素敵に活用できるというのも魅力。
ただ、私は次女を出産する前の仕事がとても忙しく、「シンプルなインテリアを日ごろから心掛けている」と言えばかっこいいのですが、季節のものを飾ったりする余裕もなく過ごしていました。
新たにモノを増やす選択肢はあまり持っていなかったというのが正直なところかもしれません。
結論から言うと、長女の陶器製のお雛様には名札がついていて、次女も同じ名札を作って解決しました。
私はたまたま同じ陶器製の名札を作れたのですが、長女と同じ名札にこだわる必要はないと思います。次女には次女の個性がありますしね(^^)
名札も布製だけでなく、木札やオルゴール付きのものなど、色々選択肢もあり、コンパクトなのでこれで十分!と言うのが我が家の判断でした。
実際の子供の反応
娘たちはお雛様に対して「自分用」という意識を一切持っていません。ずっと「二人のもの」だと思っています。長女の時に買ったものだから、ということで長女が不満を言ったこともないんですよ。
妹ができたのが、まだ小さい時だったからというのもあるかもしれませんが、お雛様を飾るのも一緒にやり、「うちのおひなさま」ということで定着しています。
次女の時に加わったのは名札のみですが、次女も全く気にする様子はありません。
親が「これは○○ちゃんのお雛様」と言わず、最初から「うちのお雛様」として扱えばもめることはないんじゃないかなと思います。
身代わりや厄払い、というのは七五三もそうですが、大人になるまでに亡くなってしまう子供が多かった時代の名残ですよね。
人形屋さんは売りたいから色々言うかもしれないけれど、健やかな成長を祝う気持ちさえあれば、モノはなくてもいい!というのが私の結論です。
まとめ
雛人形は多くの子供が命を落としていた頃の名残といえる風習なので、現代においてはそれぞれの家族の気持ちの問題が大きいと思います。やはりお守りのように次女用もあった方がよい、と思うことももちろん子供を思う気持ちです。
我が家の場合、愛情の差はモノで表現されるものではないと思って、まず次女用にも「何かなければならない」という思い込みを捨てました。自分の生活スタイルや住宅事情を考慮して、最低限のモノを準備するで問題ないと思ったという観点をご紹介しましたが、あくまで一つの意見。
どちらを選んでも子供を思う気持ちに差はないのではないでしょうか?
ちなみに我が家の雛人形は私(妻)の実家が用意してくれました。次女用は自分で準備。親から特に文句もありませんでしたよ。
【まとめ】
- 次女用雛人形の購入を人形屋さんが勧めるのは、その由来が厄払いや身代わりの意味があると言われているため
- ただ、愛情はモノや金額の差で測ることではないため、次女用も必ず「買わなければ」という意識は捨てる
- 我が家は雛人形は「みんなのもの」として扱い、名札をそれぞれに準備