ドラマ『PICU』子役の死因は？苦情や抗議が入った理由は？

2022年フジテレビの月9ドラマ『PICU』が物議をかもしています。2021年のNHK大河ドラマ『晴天を衝け』で主役の渋沢栄一を演じ、2022年にはキングダム２で再び嬴政役を演じるなど若手の人気俳優吉沢亮さんが主演する話題作。事前の期待が高い作品でした。

そんな初回90分スペシャルでは冒頭で子役の女の子が死亡。そして本編でもPICU発足直後に搬送された女の子が亡くなるという衝撃的な結末。PICUという過酷な医療現場の物語とはいえ、幼い子供が命を落とすシーンは作り話であると分かっていても見るのがつらかったですよね。

私も幼い娘がいるので、子役の死因が何だったのか、他人ごとではない気になり調べてみました。また初回放送について自治体から苦情や抗議が入ったという報道もあったので、一体どんな内容だったのか、合わせてチェックしてみました。

衝撃的なスタート

子役は誰？

朝ドラのロケで来ていた子役が撮影中体調を崩し、車で病院に向かうという冒頭シーン。広大な北海道で救急車の到着に時間がかかるということで自家用車で病院に向かったものの、病院を転々とした挙句、手遅れとなり子供が亡くなるというストーリー展開にまず驚きの声が上がります。

冒頭の子役、星野沙羅役を務めたのは諏訪結衣ちゃん。

パンパースのCMに出演するなど、0歳の赤ちゃんの頃から芸能界デビューしている子役さんでした。どおりで演技が上手いはずですね！

そして本編に登場する女の子、神崎鏡花役は磯村アメリちゃんが務めています。吉沢亮さん演ずる志子田武四郎が勤務する丘珠病院に発足したばかりのPICUに運び込まれ、その後亡くなるという悲しい役柄。

私も同じ年頃の娘がいるので、まずは元気な笑顔で今もいることに安心しつつ、プロフィールをチェックしてみました。

名前は外国人風ですが、ハーフではないそうです。幅広い役柄をこなす吉村亮さんすらも「本番前はずっと元気に喋っていますが、撮影が始まった途端にきちんと芝居をするんです。それを見たときにすごいなと思いました。」（出典：RealSound）とアメリちゃんを絶賛！

撮影現場では和気あいあいとされていたんですね。

吉沢亮の出身地はどこで親はどんな人？芸能界入りしたきかけは？イケメンなだけでなく幅広い役柄をこなす俳優として今や大人気の吉沢亮さん。芸能界入りしたきっかけや、出身地、ご両親について調べてみると、実はデビューからしばらく大きな役に恵まれなかった逆境を力に変えた吉沢亮さんの芯の強さの訳が垣間見えました。...

死因は

冒頭の子役、星野沙羅の死因は腸閉塞（絞扼性イレウス）だとドラマの中でミーティングの題材として扱われる説明がありました。

何らかの原因で腸の通り道が塞がってしまう病気で、直ちに手術しなければ命にかかわるそうです。子供の「お腹痛い～！」は重大さを見極めるのが専門のお医者さんでも非常に難しいと言います。

ただ甘えているだけの仮病なのか、普通の腹痛なのか、命に係わる病気なのかということについて、色々調べてみましたが、子供の顔色を確認するのがまず親として判断の基準になるということのようです。

本編の神崎鏡花も冒頭の星野沙羅と同じ腸の病気と思われます。ドラマの中で重篤な腹痛を発症してから四時間経過後に稚内からドクターヘリで運ばれたという設定になっていました。

症状は前の晩からあったものの、かかりつけ医がそれを見落とし、翌日容体が急変。PICUに搬送されたものの、大量に溜まった腹水、消化管穿孔を起こしており、手術ができる状態ではないと判断され、そのまま死亡します。

稚内は北海道の北の端。

札幌までの距離は330kmほどだというので、東京から名古屋くらいの距離に近いですね！新幹線も高速道路もないので、距離はほぼ同じですがどんなルートを使っても5時間以上かかるといいます。県レベルの距離感では全く通用しないですね。これは北海道以外の人は分からない感覚な気がします。

ドラマでは神崎鏡花の死後、すぐに医師らのミーティングが開かれます。

吉沢亮さんが演じる志子田は、たった今女の子が亡くなったのに、なぜ平然と話ができるのかと涙を流しながら抗議。

もし今回PICUが丘珠にあるということが北海道中に知られていれば、稚内からドクターヘリで直接搬送され、待機時間をもっと短くすることができた。もしドクタージェットが運用されていれば最短45分で病院に到着できた、そうすれば救命することができたかもしれない。

いくつもの可能性があったかを記憶の新しいうちに、どうしたらよかったか反省し、考えていこうと涙ながらにPICUのリーダーの植野医師に諭されます。

ここで涙した視聴者も多かったのではないでしょうか。

考えることすら辛いですが、子供の命と向き合う職業のリアルだったり、これが現実に起こっていることだと意識してみると、今自分の目の前にいる子供が元気でいてくれるだけで感謝の気持ちが湧きますね。

では、感動のストーリーに苦情というのは一体どんな理由があったのでしょうか？

PICUに苦情？

経緯

PICUの放送では北海道の実際の地名が使われています。

第1話の冒頭の子役がロケ先で腹痛を発症し、命を落とすという設定について、ロケ先として地名が使われた美瑛町が「誤解を招く」とドラマを制作したフジテレビに抗議したことが伝えられました。

ドラマでは、体調を崩した子供が救急車が来るのに時間がかかるため自家用車でまず美瑛町の病院に送り届けられ、その後旭川市の大学病院に搬送され、さらにドクターヘリで札幌市の大学病院に運ばれ、亡くなったというストーリーになっています。

この中では、病気の状態だけでなく、直接の死因ではないものの搬送の遅れが救命を困難にしたという様子が描かれています。

これに対し美瑛町の担当者が報道機関の取材に応じ 「ドラマにおける町の描写は医療過疎、住みにくいという誤った印象を与えかねず、現実と乖離しているため、遺憾の意をフジテレビ側にお伝えしました。町から隣の旭川市の病院までは車で30分まで移動ができ、1時間以上かかることはありません。町としても医療体制や救急搬送には力を入れています。ドラマであった患者のたらい回しみたいな事は起きておりません」と答えています。（出典：FLASH）

北海道民もネット上で、最初に運ばれる美瑛町内の病院までさすがに1時間もかからない、旭川に大病院は他にもあり、わざわざ札幌に搬送されることはないなど、ツッコミを入れています。

確かに北海道に住んだことがないと、距離感がバグりまくりですよね。私も若い頃北海道一周しようと1週間で旅程を組みましたが、半分もいけなかったことを思い出しました。

経緯と双方の見解

10月10日に第1話が放送された後、美瑛町議員がフジテレビに電話し、12日にはテレビ局関係者が美瑛町長を訪問。角和浩幸町長が「フィクションとはいえ、医療過疎、住みにくいという印象を与えて残念だ」と抗議し、フジテレビ側は対応を検討すると回答したそうです。（出典：北海道新聞）

その後双方で協議し、フジテレビ側、美瑛町側いずれも公式サイトでコメントを発表。

フジテレビ側は、ストーリは自家用車で搬送したことにより重症化してしまった事例を取り上げたもので、「美瑛町の医療体制不備を問題にしたものではない」としたうえで、ドラマはあくまでも主人公の成長ストーリーであり、ドクタージェットの重要性を訴えるもので、その点で美瑛の皆さんにも応援いただけるよう努力していきたいという趣旨を述べています。

一方苦情の申し立てをした美瑛町側は「フィクションと実際の医療環境の間の差があった」としながらも、フジテレビ側とPICUの設置という社会課題や北海道の地域活性につながるものとして、今後も応援したいとコメント。（出典：オリコンニュース）

北海道の広さゆえの医療体制の難しさという根本の問題はドラマで訴求しつつも、いたずらに住民や関係者を不安にさせるような意図はなかったという点で仲直りできたようでよかったですね。

まとめ

PICUの公式サイトでも、“この物語は、「大規模なPICUの運営は極めて困難」と言われてきた北海道で、駆け出しの小児科医が先輩医師と共に、どんな子どもでも受け入れられるPICUを作るため、そして、1秒でも早くPICUに搬送できる医療用ジェット機の運用を可能にするために奔走する姿を描くメディカル・ヒューマンドラマです。＂とあります。（出典：PICU公式）

PICUという場所は重篤な症状の子供のたどり着く場所。フィクションとはいえ子供が苦しむ姿、ましてや死を見るのはショックがかなり強いですが、心揺さぶられるが故に考えさせられる内容だと思いました。目を背けてはいけないですね。

毎回ドラマ終了後のSNSには「涙腺崩壊」のコメントや涙の顔文字😭ばかり。失われる命の一方、助かる命に希望を感じつつ、吉沢亮さんの演じる志子田の成長を見守っていきたいですね。